小紅色

読書とピアノと息子が癒し

「こちらあみ子」今村夏子著 読んでみた

「こちらあみ子」と「ピクニック」の2作品。

こちらあみ子

他人の気持ちを理解するのが難しく、学校も不登校気味、そんな周りとはズレた感覚のあみ子の小学生から15歳までのお話。

きりのいいところまで読むつもりが、気になるワードが小出しにされて、結局一気に読んでしまいました。

「前歯がない」「15歳で引っ越し」なんでそうなった?と興味をひく内容がちょこちょこ出てきて、その経緯が気になってつい読み進めてしまう。

おもしろかったです。

あみ子はただまっすぐ生きているつもりなのに、周りがしんどくなってしまう。

自分が親ならイライラするし、困惑するし、手に余るだろうね。

でもエピソードとして聞く分にはすごく面白い。普通と違うから予測不能の言動におもしろさを感じてしまう。

母親の「ほくろ」やのり君の「字」に執着するところがあみ子の特性をよく表現していますね。

読み終えて変わり者のあみ子に対して根気よく向き合うことをせずに、疎ましく思う大人たちが自分勝手に思えて、何だかあみ子が不憫に思えました。

 

ピクニック

「妄想癖というか虚言癖のある七瀬さんに対して、同じ店で働くルミたちが七瀬さんの設定にのっかることによって、よりリアル感のあるものにしていくというシュールな話」だと最初は思ったんですがどうやら違うような。

七瀬さんの話は最初から嘘くさいのが分かるような話の内容だったれど、いやあ、一体どこからルミたちは気付いていたんでしょうね。

なんだろう、七瀬さんのおかげで一つのストーリーをみんなで共有する楽しさ、そこから連帯感みたいなのが生まれて楽しんでいたのかもしれない。

コントでの設定に、よりリアル感を出すための小道具たち。それが「鍬」だったり「タモ網」だったのかもしれない。

七瀬さんは少し変わっているけれど食事の差し入れなどしてくれるいい人だったから、ルミたちはそのお礼のつもりで設定にのっかってあげていたのかもしれない。

読み終えて振り返ると、ルミたちが優しすぎる。おもしろがるだけなら七瀬さんのためにあんな無駄な時間を過ごさないでしょう。

題名の「ピクニック」の意味が分からないなーと思って読み進めたけど、この話は最後みんなでピクニックをするまでの経緯が書かれていたこということみたい。

「七瀬さんのおかげで早起きして外に出る習慣ついたっていう話」
「そしてみんなで楽しくピクニックしましたとさ」

ええっ?そういうこと???

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。