今回読んでみた本は「育てられない母親たち」です。
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虐待の悲しいニュースを耳にするたび、どうして幼い子どもに対してそんなことが出来るのか、いつも疑問に思っていました。
周りは気付かなかったのだろうか。
行政はもっと違う対応は出来なかったのだろうか。
この本では虐待や育児困難に至るまでの経緯を、多くの事例を通して知ることが出来ます。
いつも行政の対応に批判が集まりますが、虐待や育児困難に陥る親は問題を複合的に抱えていて、単純に対応出来るようなことではないということも理解出来ます。
子どもに対する虐待は主に4つに種類に分類されます。
・身体的虐待
・性的虐待
・心理的虐待
・育児放棄(ネグレスト)
この中でもっとも多いのが心理的虐待。
自分は子どもを虐待してないと思っている親でも、精神的虐待をしてる場合があるので注意が必要です。
罵倒や家庭内暴力、度を越したスパルタ教育、兄弟間の差別、親の薬物依存など、子どもに極度にストレスを与え続ける行為は虐待に当たるんです。
子どもの前で絶えす激しい夫婦喧嘩をしたり、教育熱心すぎても、子どもがストレスを感じていたら心理的虐待になってしまうんですね。
育児放棄について語られている部分で印象的だったのは、不倫などの状況において子どもを授かったときに
・男性の方が先に育児放棄する
・男は逃げてしまえばそれで済む
・だから育児困難に陥る親の大半が女性
男は逃げれるってことに、考えさせられる。
この本を読んで虐待をする親がどうのように育ってきたかを理解することも大事だと感じました。
虐待する親もまた、虐待されて育ってるケースがほとんどいう悲しい事実。
虐待は子どもの人格形成に大きな悪影響を与えてしまう。
他には、知的障害の母親、外国人の母親、薬物依存の母親などのケースなどもあります。
また知っているようで知らない児童養護施設のこと、親と離れて暮らす子どもたちの思い、特別養子縁組についても書いてあります。
この本を読んで「育てられない母親たち」はいろんな問題を抱えていることが分かりました。
終始やるせない気持ちで読みましたが、最後に救いもありました。
子どもを手放す親がいる一方で、どんな子どもでも引き取る親もいるということ。
不妊治療で大変な思いをした夫婦が、ダウン症の子どもを喜んで引き取ってくれた時の言葉が書かれてましたが、それを読んで涙が出ました。
生まれてくる子どもがみんな愛されてしあわせに育って欲しい。
そう願いますが、そもそも育児は大変で簡単なことではありません。
理想だけでは難しい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。