小紅色

食と趣味と息子の話

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「おいしいごはんが食べられますように」高瀬隼子著 読んでみた

今回読んでみた本は「おいしいごはんが食べられますように」です。

ほのぼのとした感じのタイトルから想像がつかなかった内容で面白かったです。

登場人物二人の視点で話が進みます。

仕事と食と人間関係。

 

世の中の理不尽さが書かれてます。

職場においてどの立ち位置が有利なのか。

仕事が出来る人は多くの仕事を任され、仕事が出来ない人はラクな仕事を与えられる。

周りが残業するほど忙しい時でも、体が弱いと配慮されて無理しなくていいと言われる。

同じ給料をもらっているとしたら、体が弱くて仕事が出来ないけれど、愛嬌を振りまける人間が一番最強かもしれない。

 

食に関して書かれている部分は、どうしてそこまで食べることを敵視するのかと思うくらいひどい言いよう。

幼少期に何かあった?と聞きたくなるくらい。

確かに自炊でどんなに手の込んだものを作っても、食べる時間はせいぜい5〜10分くらいだし、生ごみはたくさん出るし、作った人に対していちいち「おいしい」と言うのは面倒かも。

読んでいて時々吐き気を感じさせるあたり、食に対する憎悪感の表現はすごいと思いました。

 

良くも悪くも目立たずに普通な感じで日々をやり過ごしている人間が一番性格が悪くて腹黒いのかもしれません。

「おいしいごはんが食べられますように」は面白かったけど、読んだあとは嫌な気持ちになる本でした。

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。