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食と趣味と息子の話

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『みんなの「わがまま」入門』 富永京子著 読んでみた

『みんなの「わがまま」入門』読んでみました。

社会運動について研究されている先生の本で、ここで言う「わがまま」とは社会に対して言う「わがまま」について紐解いていく内容です。

社会運動なんて興味ないし、経験ないよ、と思っていた私。

本の中では想像しやすいように、学校を例にあげて説明がされたりしています。

読み進めて思い出しました。

中学三年生の時に、制帽廃止という校則を変える運動をして、制帽を廃止させたことがあったことを。

私にとって初めて社会運動的なことを実は中学生の時に経験してました。

校則だから仕方ないと思っていたことに対して「制帽は必要ない」「男子だけかぶるのは不公平」と一部の生徒の「わがまま」と思われた発言が、口に出してみたら男子生徒大部分が思っていたことだったいう結果に。

運動を始める前は制帽問題は女子生徒である自分達にとっては正直関係ないことでした。

でもこの運動が起きて、確かに男子生徒だけ制帽かぶるのはおかしいよね、夏の暑い時は頭蒸れるよね、髪型崩れるのは嫌だよね、と男子生徒の立場になって考えるという機会を得ました。

当事者じゃなくても何かを知るきっかけにはなりますね。

最近の話題といえば「学童落ちた」というSNSの投稿。

当事者にしたら切実な問題なんですよね。

関係ない自分たちが、学童が足りてないということを知るきっかけになったし、すぐには解決出来なくても将来学童問題が解決するかもしれない。

声を出して言うってけっこう大事ですよね。

だからと言って誰もが声を出せるわけじゃない。

その点についてもこの本では社会運動の参加を進めているわけじゃないので安心して読めます。

この本では当事者だと逆に言いづらいという点も書かれていてまさに「そうなんです!」って思いました。

私が住んでいるマンションのメインの入口は自動ドアだけど、裏のドアは普通のドアでした。

息子が車椅子ユーザーなので、裏から出入りするときにすごく不便。

普通の人にしてみればそんなに不便を感じないだろうから「自動ドア化して欲しい」というのは個人的なわがままを言ってるようで言い出せずにいました。

自分がいるコミュニティに対して「わがまま」を言うのは勇気がいるものです。

ちなみに現在は自動ドア化されて便利に過ごしています。

社会運動に参加したことないという人でも誰かに頼まれて署名した経験はあるかもしれません。

私も過去に頼まれて署名したこともありました。

障害のある息子繋がりで、指定難病に登録してもらうための署名とかだったと思います。

あまり考えずに署名してましたが、自分が知らない病気って世の中にたくさんあるんだなとなんとなく思った記憶はあります。

 

みんなの「わがまま」に興味を持つことは、社会問題に目を向けることになります。

知らないことを知るきっかけになったり、相手の置かれている状況を理解してあげることだったり、自分の世界や視野を広めるきっかけにもなります。

この本を読んで「社会運動なんて興味ないし、経験ないよ」と思っていたら実はそんなことなかったし、社会運動をしている人や勇気を出して声をあげている人に対して少数派の「わがまま」言ってる人たちと偏見持ったり決めつけをしてはいけないと、色々と勉強になる本でした。

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。