小紅色

食と趣味と息子の話

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父が末期のがんになりまして(4)予期的悲嘆

母から連絡があり、父のホスピスへの転院がようやく決まったと。

そうか、とうとう、もう終わりも近いということか。

 

ホスピスへの転院の話が出た時は、まだ父の意識もしっかりして会話も出来る状態でした。

痛み止めが効きにくい体質もあって、痛みにはかなり苦しんでいた様子。

ホスピスではより専門性の高い緩和ケアが受けられると聞いて、父が最期穏やかに過ごすにはいいと思っていました。

でも実際は受け入れ先であるホスピスのほうで空きがなく、しばらく待機状態。

そんなことしているうちに父の症状はどんどん悪化。

もう意識障害も出てきているらしく、二日後に面会へ行く予定をしていますが、意志の疎通がどれだけ出来るのかは分からない。

 

もう自分の中で父の死に対して、覚悟は出来ているものだと思ってました。

最初に父が末期がんと知らされたときはかなりショックでした。

だからその時は悲しくて悲しくてけっこう泣きました。

だけど父が最期を迎えるまでに心の準備をする時間を作ってくれた思い直し、徐々に状況を受け入れ、だいぶ私の気持ちも落ち着きを取り戻していました。

もう私の気持ちは大丈夫だと思っていました。

でも実際はそうではなかった。

ホスピスへの転院と意識障害が出てきた話を聞き、

死期が近づいてきたことを現実として感じたら、どうしてもまた悲しくなって涙が出てきます。

 

こういう心理的反応を予期的悲嘆というらしいです。

どうしようのない悲しみに対してどう向き合えばいいか分からなくなったけど、これも大事なプロセスなんだと知りました。

予期的悲嘆を行うことによって、死別の衝撃が耐える力がついて、その後の立ち直りも早いとか。

その時が来た時のための心の防衛手段。

本当に、本当の、心の準備を今私はしているんだと。

 

そしてこれから私たち家族は、もうこれ以上苦しませたくないから延命はさせたくない気持ちと、でも死んでは欲しくない気持ちの間で葛藤するんだろうな。

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。