小紅色

読書とピアノと息子が癒し

延命治療について考えさせられた本 心音/乾ルカ

乾ルカ著の「心音」を読みました。けっこう重たい内容でした。

多額の募金を集めて渡米し、心臓移植をした少女「明音」の半生を描いた作品です。臓器移植、いじめ、逆恨み、延命治療そして尊厳死と、どちらの立場に立つかによって考え方が変わる答えを出せないテーマが散りばめられていました。

命の重みってなんだろう?重たさに自分自身が潰れてしまいそうになる、そんな息苦しさを感じるお話でした。

知っている人も多いかと思いますが、運転免許証の裏に臓器提供をするかしないかの記入する箇所があります。以前私はこのことについてすごく悩みました。臓器提供することによって助かる命があるかもしれない。でもその一方で「臓器提供をすると生まれ変わった時に完全体で生まれ変われない」という迷信を信じていました(笑)。

輪廻転生を信じている私なので、もし息子に何かあってもドナーにはしたくない。それはハッキリしていました。迷っている私がドナーになってもいいかと夫に聞くと「ドナーになるかならないかはママ自身が決めることだよ」と言われました。

自分の周りに臓器提供を待っている人がないので実感がわかないのかもしれません。実際そういう人が近くにいたら助けたいと思うに違いないです。でもどこかで偽善者ぶってる自分がいることも分かっています。

どこの誰だか分からない他人を助けて何の得があるのか?自分の運命を受け入れられない強欲な人を助けて何の得があるのか?延命は不老不死を手に入れようとする強欲な人と変わらないのか?

延命治療と言えばうちの息子も延命治療しました。帝王切開で予定日より2か月以上早く取り出し、本来なら自然淘汰される命でした。でも延命措置を行ったおかげで障害は残りましたが今も元気に生きています。

心音の主人公の明音は周りから「金で命を買った」と言われます。確かに多額の寄付を集め心臓移植をしたことはそういう風に言えるかもしれません。でもうちの息子も延命措置をしてもらい治療費を払いました。額が違えど治療費が発生しているので「お金で命を買った」とも言えるでしょう。

私たちは日々生きるため、命を守るために水や食事を買って摂取しています。突き詰めたら当たり前のようにお金で命を買い続けている、それが現状なんですよね。

私に何かあったときは延命治療はしないで欲しいと夫には言ってあります。でもそれが息子だったら…その時にならないと答えは出せません。

今回の「心音」は本当に考えさせられました。延命治療に否定的な私であったけれど、息子は延命治療のおかげで自然淘汰されなかったことを思い知らされました。

 

今回読んだ本 『心音』乾ルカ/著

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。