小紅色

食と趣味と息子の話

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「教誨(きょうかい)」柚月裕子著 読んでみた

今回は教誨を読んでみました。

幼女二人を殺害した女性死刑囚が最後に遺した言葉。

遠縁にあたる主人公がその最後に遺した言葉の真意を探り、突き止める話です。

読み始めてから「この話と酷似した事件が昔あったな」と思い出しました。

しばらく読み進めてみたものの、やっぱり気になってネットで検索したら出てきました。

秋田児童連続殺人事件。

そうそう、これけっこうショッキングな事件だったし、連日マスコミが大きく取り上げていたのを覚えています。

この事件が元ネタだよね。

この事件も結局動機が分からなくて当時もモヤモヤしてました。

あの事件の続きが知りたい。

違うと分かっていても、酷似しているこの「教誨」で何か気持ちの落とし所が見つかるのかもしれないと読み進めました。

まあね、色々なことが重なって起きた事件だよね。

田舎の狭いコミュニティは生きづらさあるし、母娘の関係って難しい。

母娘って母娘間にしか分からない感情があると思う。

私は娘が母に抱く感情は理解出来ても、私には娘がいないから母が娘に抱く感情は分からない。

母親にしてみれば娘は自分の生き写しのように思えて、自分の人生がうまくいってないと娘には自分のようになって欲しくないと強く思うんだろうね。

そして母の言葉って時に呪いのように重く心に刻まれることがあるのは理解出来ます。

読み終えてスッキリしたわけでもなく、逆に色々考えてしまいました。

事件を起こした女性死刑囚に対して周りが適切なサポートをしてあげていたら事件を防げたかもしれない。

でもそういう環境ではなかった、だれも助けてくれなかった、結局そういう可哀想な人だったから起きた事件なんだろうな。

なんだか切ない。

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。