3作品からなる短編集。1話目と2話目が恐怖を感じる内容でした。
どの話も周りにいそうな人たちばかり。SNS依存が目立ちますが、出てくる人みんな何かに囚われている。
SNS依存、大人になっても学生気分が抜けない人、結婚出来ない独身至上主義の人たち、節約に取り憑かれる人、ペットを溺愛する人、買い物依存症、糖質依存で甘いものがやめられない人、アルコール中毒、仕事を休めない人、と色々な依存だったりや社会問題が散りばめられています。
なんかうっすらと嫌悪感を持ちながら読みすすめるタイプの本です。歪な人間関係がそうさせるのかも。
どう解釈すればいいのか分からない部分もありました。意味わからなくて読み終えてちょっとモヤモヤしてます。まあ好きに想像していいんでしょうけど。
けっこう盛り沢山な感じで人の闇が書かれていて、読んだ後も思い返してしまいます。色々詰めこんであるなぁという印象。
何とも言えない怖さがあり、読んでいて今までにない感じを味わえて、そういう意味では面白かったです。
得体の知らないものって怖いんだなぁと実感しました。たとえば2話目に出てくる「薄くてぬるくて臭うまずいコーヒー」と「独特の匂いの自家製ジャーキー」。こういう本当は何なのか分からない不気味なものをうまく使って読み手に嫌悪感や恐怖を与える手法はすごいですね。
本谷さんの本は今回初めて読みました。たまにはこういうテイストも悪くはないなと思いました。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。